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自らを過酷かつマイノリティの環境に置くこと

MBAの価値とは?

Yasuです。僕からの本ブログへの投稿も最後になります。管理人の仕事もしていたので、まもなくお役御免となります。今までお読みいただいてきた皆様、ありがとうございました。

いやぁ、遂にMBAが終わってしまいました。あっという間であるとは前々から聞かされていましたが、本当に振り返ってみると早かったなぁと。でもそれは充実していた証でもあると思っています。

ていうか、日本に帰ってきてから、誰も英語で話しかけてこないので、なんか寂しいです。外人見かけたら声かけちゃおうかな?的な、今までではありえないノリすら出てくるあたり、適度にアメリカにかぶれて帰ってこれたのかなと(笑)日本語の会話力もいい感じに低下し(尊敬語、丁寧語が出てこない)、英単語が先に出てきてルー大柴状態になっているので、早く治したいものです(笑)

と、半分本当の冗談は置いておいて、本題であるMBAでの経験を振り返ってみようと思います。

帰国して最もよく聞かれる質問は「MBAどうだった?」でしょう。言い方を変えると「MBAに行って何が変わったの?授業料含めてクソ高いけど行く価値あるの?」という意味でしょう。

Definitely YES

です。でも、それを要素ごとに分解して説明しようとすると、なんかしっくりこない。何故だろうか。それは、今年度でRossを去ってしまったStrategyの名物教授Ahujaが言っていたこと、そのものかもしれません。彼は授業の終盤、フレームワークを使う時の注意点を涙ながらに学生に説明していました。

「物事を要素ごとに分解するということは、それを文脈から切り離すことになる。当たり前のことなんだが、それに気づいていない人がかなり多い。」

というわけで??、よくある類の

• 英語力が伸びました!
• 経営全般への理解が深まりました!
• 異文化理解とコミュニケーション能力が高まりました!
• 貴重な人脈が得られました!
• 転職できました!


的なまとめ方はせず、数あるtakeawayの中で最も自分にとって有益だったと思われる1点について述べたいと思います。

――――――――
自分にとってRoss MBAの生活は「自分との対話」の時間でした。

「お前ならどうするんだ。どうしたいんだ。お前の価値は何なんだ。言ってみろ、そしてやって見せてみろ」

それを授業でも、日々の生活でも、常に問われ続けてきた。主体はもちろん自分。今までの人生のこと、現在進行形のこと、将来のことについて、質・両共にこれほどまでに人生で向き合うことのできた時間はなかったと言えます。

何故それが可能だったか。色々あるかと思いますが、大きな要因の一つは、

「自らを過酷かつマイノリティの環境に置くこと」

でしょう。アメリカ上位校のMBAはそれを経験できる格好の場であり、Rossを選んだ自分の選択は正しかったと思います。MBAと名の付くプログラムを提供する大学は世界中に無数にあり、それぞれに良し悪しはありますが、受験時にビジットをした結果、最も過酷な環境に自分の身を置けるのはUSのTop Schoolだと確信しました。

そういう環境でしばらく耐えていると、何が起こるのか。無駄なことをしている余裕はなく、最後に残る自分の奥底にある価値観が見えてきて、同時に思考や行動も洗練されてくる。しんどくて逃げ出したくなることもありましたが、そのうちそのプロセスが楽しくなってくる。毎日が刺激に満ちていて、飽きることなぞあり得なかった。

特にそれを実感したのはルワンダのド田舎に行ったコンサルプロジェクト(BA685)。アメリカ人4人と自分1人のチームで、しかも自分の職務経験のないヘルスケア分野のコンサル@発展途上国で、クライアントやチームにどう貢献するかは自分にとって死活問題でした。畑違いで英語も大したことない日本人のお前に何が出来るんだと。

「あいつ多分いい奴だけど完全なるNo Value」、それだけは何としても避けたかったため、出来ることは何でもやってみました。チーム内の雑務(カメラマン他)からプロジェクト予算管理、MTGの議題設定および進行、成果物の校正、そして日本食ディナーの開催に手作り料理のふるまい・・・がむしゃらでした。とりあえず手を挙げて、やってみる。それを本当に実行できた4か月で、自分自身の可能性をいろいろと感じることが出来た期間でした。チャレンジする余裕が生まれたというか、一段確実に成長できたと思います。そのおかげで、5月からのMAPでは自分なりの貢献が満足できるレベルでできたと思っています。

そしてRossの学生、University of Michiganの学生の協調性あふれる姿勢、これには本当に感銘を受けました。彼らのおかげで今の自分があると、断言できます。スマートなだけではなく、人間的にも尊敬できる友人に数多く出会うことが出来ました。

更にGMBAの教授陣の距離感の近さ、その他の教授でも学生のためなら時間を惜しまず相手してくれる姿勢にも感動しました。もれなくみなさん超がつく程のハードワーク信奉者ですが、それで筋が通ってるから気持ちがいい。こっちもやるしかない。やる気を起こさせるのがうまいんだろうなぁと。

Ross MBA生活の1年半は人生の中で最も充実した時間でした。20代の総括としても申し分なく、苦労して来て良かったと心の底から思っています。Ann Arborの住環境も申し分なく、もしもう一度アメリカに住むならAnn Arborを選びたい!

そして卒業後は、新たな職場で人事における専門性を高めていき、自分の腕でしっかりと仕事が出来る人間になれるよう、そしてRossの名に恥じぬよう精進します。

Go Blue!!